子どもに多く発症する川崎病をご存知ですか?原因不明の病気の1つ!
幼児に発症することが多い川崎病ですが、あまり聞く事がない病気でもあります。
最近では新型コロナウイルスが流行し、子どもがかかってしまう病気の印象が薄れていることも多いですが、子どもにとっては重大な病気の1つでもあります。
一番の怖い所が発症する原因が不明という点です。もちろん治療方法などはある程度確立されているそうですが、原因が解明されていない病気の1つでもあります。
そんな子どもが発症が多いとされる川崎病を、いろいろとまとめてみましたのでご紹介します。
川崎病とは?
1967年に川崎富作博士が初めて病気を発見しました。現在でも、川崎病の原因となるものは不明です。
「一時小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」と言われている病気で、全身の血管に炎症が起こるとされています。
初期段階では判断がしにくい病気で、症状が出てから数日以内に川崎病と診断できる症状が徐々に出そろってくるそうです。ただ、適切な治療を行うことで、普段の日常生活を取り戻すことも可能です。
この病気の一番の怖い所は、合併症です。心臓に血液を送る血管(冠動脈)にコブ(冠動脈瘤)ができることです。
場合によっては、心臓に後遺症が残る場合もあるそうです。
川崎病の症状と診断
川崎病の症状は発熱から始まることが多く、6つの症状が徐々に出てきます。ですから、初期段階の発熱だけでは診断するのは難しいということになります。
6つの症状
- 発熱(39~40℃の高熱)
- 両白目の充血
- 唇や舌が赤くなる(乾燥し切れて出血する場合も)
- 発疹(BCGの跡が赤く腫れる)
- 手足が赤く腫れる
- 首のリンパ節が腫れる
上記の6つの症状が、直ぐに表れるわけではなく、経過と共に徐々に症状が増えてきます。この症状の内、4~5つの症状が見られたり、エコー検査などで心臓への合併症が確認されてた場合は川崎病と診断されることになります。
川崎病の特徴は、発熱は5日以上続き、これらの6つの症状が1~2週間ほどで消えた後、指先の皮膚からボロボロとむけてきます。
何歳の子どもが発症するの?
日本での発症は年間1万人以上とも言われています。約90%の割合で5歳未満の子どもが発症していますが、その中でも生後6ヶ月~8ヶ月がピークとも言われていますが、ピークはあくまでも目安になっています。
生後3ヶ月未満と5歳以上の発症は少ないとされています。
発症の傾向としては、男児の方が女児に比べて多いとされており、また季節問わずに発症するとされています。
基本的には子どもが発症する病気とされていますが、大人でもごくまれに発症するとされています。また大人の症状も子どもと同じ症状になるそうです。
川崎病の進行状況
急性期・回復期・遠隔期の3つに別れます。
期間 | 内容 | |
---|---|---|
急性期 | 発病から約10日目 | 症状が現れ、全身に炎症を抑える治療を行うことが大事 |
回復期 | 10日目~1ヵ月後 | 発熱や症状が納まる時期 |
遠隔期 | 1ヵ月以降 | 症状が納まってからの時期 ※合併症の程度にもよる |
治療方法は?
川崎病の診断がされたら、すぐに入院となり注意深く観察することになります。
また、冠動脈瘤ができないようにすることが大切で、アスピリン療法と免疫グロブリン療法を行い、症状が思い場合はステロイド薬を使用することもあります。
急性期の1ヶ月間に心臓への異常が見られない場合は、基本的に後遺症の心配はないとされています。ただし、退院後は後遺症がなくても定期的な検査が必要になってきます。
退院後はどうするべき?
後遺症がない場合は、普段の日常生活を送ることが可能です。日常生活で気をつけることや運動・食事の制限もありません。
ただし、定期的な診察を受けるようにする方が良いとされています。原因不明の病気でもあるため、今後の状況なども解明されるかと思いますが、不明な点も多くあるためしっかりとした診察をした方がいいと思います。
検査内容としては、心エコー検査・運動負荷心電図を受けることである程度の身体の状況を把握することができるとされています。
心エコー検査は、超音波を使って血管の状況を把握することができます。X線被ばく等の心配もなく検査を繰り返し受けることができます。
ただし、非常に細かな血管までは観察できないこともあります。
運動負荷心電図は、検査可能の年齢が定められているので年齢に達することで受けることができます。
心臓に負担をかけながら心電図でのデータを取ります。走行・階段運動・自転車走行などの運動を行います。これにより、心臓の動きに必要な血管の流れなどを調べることができます。
こういった検査を定期的にすることが良いとされています。
川崎病は、まだまだ不明な部分もあり心配なところもありますが、まずは子どもの状況を普段からしっかりと観察するようにしましょう。
発熱があるからといって風邪で終わらせるようにせず、経過観察を注意深くするようにしましょう。
子どもの病気はたくさんありますが、まずは日々の生活をしっかりして子どもの変化を見逃さないことが重要になると思います。子どもの健康をお父さんやお母さんが守っていきましょう。