甘えと甘やかしの違いはご存知ですか?幼児に必要な親の知識。
2歳を過ぎると「イヤイヤ期」に入り、子どもは自分でできることでもお父さんやお母さんにしてほしくておねだりしたりします。
また、2歳になると自分の感情を表す事ができるようになったり、3歳になると言葉も話せるようになってくるため、甘えることが多くなる時期でもあります。
そんな子どもを甘やかしすぎるのはどうか?どこまでしてあげればいいのか?と悩むお父さんやお母さん多いと思います。
ですが、「甘え」と「甘やかし」の区別をご存知ですか?
これを知っているだけで子どもに「してあげること」と「させること」の区別が付き甘やかしすぎることがなくなります。
そんな「甘え」と「甘やかし」をご紹介します。
「甘え」と「甘やかし」の違いとは?
「甘え」と「甘やかし」は、文字や響きだけでイメージすると同じ様に聞こえますが、全くの正反対にあるような言葉になります。
子の違いを知ることで立場や意味を理解することができます。ただし、違いを知ってもなかなか「どう行動したらいいの?」となりますが、まずは言葉の意味を理解してみましょう。
「甘え」とは?
甘えとは、主体が「子どもの意思」になります。
「子どもが甘える」「甘えて抱きつく」など文章にするとわかりやすいかもしれません。
このように子どもが主体となる行為が「甘え」です。
「甘やかし」とは?
甘えと違い、甘やかしは主体が「親の意思」になります。
「甘やかした」「甘やかして育ててしまった」など、親の感情を表現したりするときに使われます。
「甘え=子どもの意思」「甘やかし=親の意思」というように区別することができます。
こどもの「甘え」はなぜするのか?良い悪いどっち?
甘えは先程も簡単に説明しましたが、子どもが主体となります。親の愛情を求めたり、寂しいという気持ちを表すために使う方法でもあります。
要するに、スキンシップを求めているということです。
例えば、寂しいから抱っこしてほしいと意思表示したり、「ねぇねぇ、見てー」と抱きついてきたり、自分でスプーンを使えるのに食べさせてと表現したりします。
これが、甘えるという行動です。
また、逆にわがままをいったりお父さんやお母さんを困らせたりという行動もとりますが、そういった行動も「かまってほしい」「見てほしい」という感情からくる行動の1つにもなります。
こういった甘えに対して、受け入れ行動してあげることで「自分はお父さんやお母さんから愛されている」と安心をすることができます。
これを繰り返すうちに子どもの中で自信がつき自立心が高まって育っていくといわれています。
甘やかしとはどんな行動なの?
甘えと違い甘やかしは完全な親の立場での話になります。
子どもの意思と別の行動で子どもに物を与えたり、子どもの行動を先読みしてお父さんやお母さんが先にやってあげたりすることを甘やかしということになります。
例えば、寂しい気持ちでいる中で抱っこを求めても、家事などが忙しくて好きなテレビを見ていいよと言ったりすることで、子どもは抱っこで安心したいのをテレビで気持ちを落ち着かせて我慢することになります。
また、服を自分で着ようとしても「時間がかかる」「まだできないだろう」と思って先に服を着させたりすることが、子どもの意思とは別のものになります。
公共の場で騒いでいるのを放置しておくのも甘やかしになります。
過保護や過干渉と言われる行為も甘やかしになり、子どもの成長に必要な自立や判断力を阻害することにも繋がります。
甘えを全て受け入れていたらクセにならないの?
子どもが甘えて「〇〇して」「イヤ」「行きたくない」「したくない」など様々な事を言いますが、基本的に「甘え」を全て受け入れてもクセになったり、どんどんひどくなって収拾がつかないということはないそうです。
理由としては、甘えにも底があるということです。2歳や3歳の子どもは特に甘えたい欲求が高いので甘えたことをしてあげても、成長と共に自分でできる楽しさや自分でやっていけるという考えになっていきます。
これが甘えの底になると自分でできる方が楽しかったりもします。
また、甘えるということは、心の寂しさや我慢や愛情がほしいという現れでもあり、「うちの子は、2歳ぐらいの時は手がかからなかった」と思っていても子どもはどこかで我慢をしているかもしれません。
そういった我慢をしていた子どもが第二子を出産後に赤ちゃん返りがひどかったり急に甘えだしたりすることもあります。
突き放さずの受け止めてあげるようにしましょう。
ただし、子どもの甘えでも「寂しい・スキンシップ」と違い「面倒だから」などの場合は見極める必要があります。
子どもの甘えを見極めよう
「寂しい・スキンシップ」と違い「面倒だから」などは子どもが単純に面倒くさいからしてほしいとうい感情だけになります。
こういった場合は、しっかりとお父さんやお母さんが見極めるようにしましょう。見極めずにしてしまうと甘やかしにつながることにもなります。
見極めるポイントは、お父さんやお母さんだけしかわかりません。それは、子どもの性格・気持ちや状況など、その子どもにことをよく知っていないと見極められないからです。
たとえ見極められない時があっても、安心して下さい。甘やかしは1回や2回で子どもがわがままになったり怒りっぽくなったりと問題が起きるわけではありません。
日頃からの甘やかしの積み重ねで、子どもの中で甘やかされることに慣れていくのです。
「甘え」と「甘やかし」の区別をはっきりと理解し、子どもの感情や性格・想いを考えてお父さんやお母さんは行動するようにしましょう。
「子どものために」と先に物事をするのではなく、「子どものために行動しない」という気持ちで先回りしない気持ちを持つようにしてあげましょう。